ゆうな

エゴイストのゆうなのネタバレレビュー・内容・結末

エゴイスト(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

結局、その人のことが大好きで、その人の苦しみが自分には見ていられなくて苦しくて、なので金銭的援助をする、なんて全部自分のエゴなんだと思う。相手はそのうちお金を受け取ることに慣れてしまい有り難さは薄れ始めるが、自分はずっと与え続けているわけだからそのうち苦しくなる。服も売り始める。でも相手から見た自分はうんと余裕があって恵まれているように見えるわけで、自分が言い出したことだから恩着せがましくものを言うこともできなくて、ずっと与えっぱなし。でもふと相手からも与えられているものがあると気付かされて、そこでまた気持ちがリセットして、の繰り返しのような。

自分の行いはエゴのようにしか思えない、果たしてこれが愛なのか、わからない……でも相手が愛されていると思うならそれは愛なんだろうそれでいいだろう、ということを一本の映画でストンと言われたような感じでした
同性愛がテーマとかではなく、綺麗事だけでは済まないエゴの贈与関係を通した愛?がメインテーマだった。しかし主役二人の役作りが素晴らしく、同性愛の関係を描いた邦画作品としてまたすごいものが出されたなっていう感じ……

死が近づいたものが、まだ帰らないで、と相手に甘えることもエゴなんだろう。そこで映画がフッと終わることで、この作品の題名であるエゴイストは結局何を指していたのか、どこまでが「エゴ」なのか、色々考えさせられた。
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