子供の頃からゲイと言う事を隠して生きてきた主人公浩輔。ある日知人を通じてパーソナルトレーナーの龍太と出会う。二人は互いに惹かれあい愛し合う様になるが…
あなたが人を愛するその愛は相手の為ですか？それともあなた自信が満たされる為ですか？
ガッツリしたBL描写は苦手ながらもツイッターのフォロワーさん達の感想でかなり興味を引かれて鑑賞。一言で言えば現状今年ベスト。見る前は同性愛者の方達の現実世界での生き辛さなんかを描いた作品かな？と勝手に思い込んでたけど…否。これは同性愛と言う以上に人間と人間の愛の定義を描いた物語。
人間とはそもそもエゴの塊だ。
相手に与える優しさも傷つけられたと感じた時の感情ですらも全てはその人間の主観であって１つの思いに過ぎない。全ては自分の自己満足だと気づかずに他者を追い込んでいる時もあればその一方的な愛が人を救ってる事もある。果たしてこの映画の2人はどうだったのだろうか？
私は…確かな愛でもありエゴでもあったんだろうなあと思いました。それと同時にこういう複雑な人間関係ではない平凡な日常の中の友情や家族愛、他者に対する自分の見方が人を苦しめてる時もあればその逆もあるのだろうか?とも。結局エゴの無い愛を持ってる人間なんていないんですよ。ラストシーンの主人公の姿にそんな人間の歪さと美しさの両方を垣間見ると共にそんな中でも究極の愛を突き詰めて生きていくしかない人間の情念を感じて確かに感情が振るわされた。
正直、他の人達のレビューの様に泣いたとかは個人的にはなかったですが人間同士の濃厚すぎる愛を強く描いた一本なのは間違いありません。
