Mary

エゴイストのMaryのレビュー・感想・評価

エゴイスト(2023年製作の映画)
3.5
観ていてすっっごく辛かったし、
なんでこんなに悲しい事ばっかり起こるの?なんでこんなこと観せるの?って思ったけど、たぶんこれが今の社会の現実。
普段の生活を楽しく送れて、映画観る余裕もあって、大学にも通わせてもらっている私が、格差とか、日常生活を送るのも精一杯な人達に、気付いてないだけ。
私が恵まれすぎているだけ。
だから、私はなんって恵まれてるんだろう、私は自分の環境に感謝して、もっと力をつけて、何か社会に役立つこと、龍太みたいに自分がやりたいこと出来なくて毎日無理して仕事してても綺麗な心を持ってる人達の力になれるように、頑張ろうって漠然とだけど強く触発されて、涙が止まらなかった。

エゴイストっていうタイトルの意味に考えさせられた。
誰が見たって「こんなに愛に溢れた人いない」っていうような優しい浩輔が「僕は愛がなんなのかよく分かりません」って言って苦しんでる理由は、
たぶん自分の「愛」が結局「エゴ」にすぎないなんじゃないかってことなのかな。
この映画でよくあったシーンが、相手のためにしてあげたい事なのに、お互い「悪いから」って譲り合って、結局「僕のわがままだから受け取って」と半ば強引に押し付けて、相手は感謝しつつも「ごめんなさい」と言う。
特に浩輔はこればっかりで、お金とかモノを、与えすぎてしまって、「借り」みたいなものが発生してしまう。
相手への愛が溢れすぎて、逆に相手の気持ちに配慮できてない?

でも、ラストシーンはこれを克服できた瞬間なのでは?
いつもはお金とかお土産とか「目に見えるもの」を与えるし、
自分でも「僕は目に見えるものしか信じない」って言ってた浩輔だけど、
「まだ帰らないで」って言われて「はい」って答えたシーン。
これは、物質的なものじゃなくて、
ただ側に居る、ということ。
それが本当の愛で、本質なんだよ、って
浩輔はもちろん愛がある人だけど、モノはその手段であって、
本質は目に見えないものなんだよって
ことなんじゃないかな。

今の社会だとまだまだ同性愛者は生きづらいよね。
Mary

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