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エゴイストのosaのネタバレレビュー・内容・結末

エゴイスト(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

同じくらいの時期に公開されていた別れる決心を観て、恋に落ちるふたりのパワーバランス、格差についてずっとぐるぐる考えていた中で観たこちらもテイストは違えど格差の話であった。ふたりの間には格差の壁があり、ふたりの目の前には法(制度)の壁がある。パートナーに毎月生活費を渡すのも死別後にその母親の面倒を見るのも、婚姻関係にある者同士であれば普通にありえる出来事だと受け入れられるのにね

持つ者は持たざる者の苦しさに気づけない。フェアな関係かと問われるととても危うく感じるほどの龍太の立場の弱さと、その不均衡さを負い目に感じているかのように愛情という名の支援を重ねていく浩輔の姿を見ていると、原作は全く読んでいないけれど作者の方のさすエゴイストには、かつて龍太と一緒にいた頃の自分を振り返った浩輔の懺悔のようなニュアンスを感じる気がする、
映画を作った人たちがそのような感覚を持っていたかはわからないけれど、登場人物それぞれの視点からは全く別の物語があるように、捉え方の道がいくつにも分かれている多面的な恋愛映画だった
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