きゅうりのきゅーたろう

ストーリー・オブ・フィルム エピソード6. 映画の膨張のきゅうりのきゅーたろうのレビュー・感想・評価

4.0
1953〜1957年あたりを解説
あらゆる国で全体的に反抗や対抗意識みたいなものがスクリーンに映し出され、ある意味映画が視聴側のはけ口がであった時代という印象

アメリカではジェームズ・ディーンが『若者の反抗』を演じ激しく叫んだり、一方でエジプトやインド、中国、ブラジル、メキシコが取り上げられ、静かなる抵抗を見せるものもあった

日本では30年代に続き2度目の邦画最盛期を迎え、黒澤明が代表的存在であった
『生きる』の望遠レンズを使った表現には全く気付かなかったので、作品への理解が深まる嬉しい解説であった

第二次世界大戦が終わり、戦後復興を迎えた時代であり、そのことが社会や政治への抵抗意識に繋がったのだろうと漠然と感じられ、また、古くからの伝統みたいなものへの人々の意識にパラダイムシフトが起こった季節でもあったのだろう