ぱん

そばかすのぱんのレビュー・感想・評価

そばかす(2022年製作の映画)
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佳純は恋愛/性的感情も抱かない、それがセクシャルマイノリティになることも多分知らない。最初はあまり言葉にしないでいたけど、途中からは「恋愛はしない」と相手に伝えていく。
ちゃんと伝えなかったことで友だちだと思ってた人を手放すことになって、悲しくて傷ついてもう繰り返したくない思いからそういう行動に変わっていったんだと思う。

私は「ない」とまでは言い切れないけど「稀にある」人として、佳純が潔く強くも映った。
少しでもあるから振り切れずに、どこかで可能性を信じてるみたいなところがある。すごく揺らぎがあるから、これと向き合うのは正直しんどい時もある。
人への伝え方も少し難しいなとも感じているけど、「恋愛感情を抱きづらい」ことを伝えられる人としかこれからは深く親しくなれないんだろうなと思う。

最後のシーンは本当に希望だよなあ。「どこかに同じことを感じてる人がいることが知れて嬉しかった」みたいなことを言っていて、セクシャリティーの分類に当てはめてみることもそれと近いような気がした。
とても救いになるし、平熱のまま言葉にしやすくなるんだなと感じる。

佳純が真帆にそういうところが「好きだよ」と伝えるシーンも、ものすごく心に響いた。ちゃんと人に好きって伝えることってなんて尊いんだろう……好きにもグラデーションがある。伝えていきたいな(長くなったな……)
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