ミサホ

ハントのミサホのレビュー・感想・評価

ハント(2022年製作の映画)
4.0
大好きなイ・ジョンジェの初監督作品を観て来ました!明日から10月だというのに、太陽は容赦なく照り付けてやがる。そんな中、観てまいりました。

1980年代の韓国。政治が混迷を極めていて、その中枢にいるKCIA…安全企画部は、それを象徴するかのように、海外チームと国内チームで割れていた。 

海外チームのパク次長(イ・ジョンジェ)と国内チームのキム次長(チョン・ウソン)は反目し合っていた。

冒頭の大統領暗殺未遂のシーン、中盤の東京を舞台にした市街地での銃撃戦、ラストのバンコクでの銃撃戦など、かなり体育会系で派手な作りになっている。

ある時、二人は別々に、組織内に潜り込んだ北のスパイの炙り出しを命じられる。

果たして、スパイはいるのか?
いるとすれば誰なのか?
任務とはいえ、やりにくいな!
反目し合っているとはいえ、そんな感じ。

さて、公開前から話題になっていた(?)カメオ出演の豪華さを自分の目で確かめてみたよ。

兄貴に、暗数に、梨泰院会長に、記憶法に、鬼はさまように、工作(パラムでもいいで)に、仁鶴に、チョ・ウジン…

マンシクはカメオじゃないか…

彼らがまるでイ・ジョンジェの初監督を祝福するかのように集まって、短い出演ながらも作品を盛り上げた。しかもそれぞれ存在感を示していたのは、やはりすごいな。

俳優仲間としての絆と互いへの敬意を垣間見た気がして嬉しかったな。ばんざ〜い!

大統領への忠誠を保ちながらもどこか不信感も抱いている。疑心暗鬼の時代に翻弄され、もがき苦しむ2人の男の物語。

スパイ映画として、『工作』ほど渋くはない。『ベルリンファイル』ほどスタイリッシュでもない。

革命期を描いた作品として、『1987 ある闘いの真実』や『弁護人』ほど悲しくもなく、『タクシー運転手 約束は海を越えて』ほど希望もない。

それでも初めてとは思えない作品で、慣れてない感は微塵も感じられなかった。重厚でシビア、そしてちょっぴり難解な作品でした。これはもう一回観たい。観なきゃ分からない。Blu-ray出たら買うぞ。
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