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ハントのwoosのレビュー・感想・評価

ハント(2022年製作の映画)
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新宿バルト9にて字幕版を鑑賞。
2023年新作劇場鑑賞68作目。
客席は6割くらい。
テーマ「民主化」

[全体として]
Netflix『イカゲーム』主演のイ・ジョンジェが監督主演を務める1983年の韓国を舞台とした、安全企画部(日本で言うとこの公安警察)の話。
お話的には、ときは全斗煥大統領の軍事政権の時代、安全企画部の海外チーム次長のパクと国内チーム次長キムは過去の経緯により仲違いしていた。
その二人がアメリカでの大統領訪問の警備に当たって居たのだが、日程が漏れていたことにより、銃撃戦に発展する。その責任を両次長が取らされるところだったが、部長の汚職の証拠を握っていたパクが部長を逆に辞職に追い込む。しかしその後の任務で安全企画部内に北のスパイ「トンニム」がいることが判明。新しい部長の命で互いに嫌疑を掛け互いを捜査する流れになるのだが。。。みたいな話。
この時代の話は『タクシー運転手 約束は海を越えて』『KCIA 南山の部長たち』『1987 ある闘いの真実』など意外と見ているので、70年代後半から80年代後半の韓国の出来事が自分の中でだんだん立体的になってきている。この時代が映画化されていることが近年多いように感じるので、まあそれだけ韓国という国にとって激動の時代だったんだろうなという感じ。

[良かったところ]
誰も信用できない職場というのは本当にしんどいなと思うし、観客も同じ体験をすることになる。
(正しい)人間が一人も出てこないというのが非常にリアルで、実際の公安という仕事に携わるとこんな感じの人間関係になるのではないだろうか?
反目しあっている二人だが、逆に友情のようなものも感じるし、非常に不思議な魅力がある二人である。
出ている役者さんたちは皆非常にいい演技だったと思う。

[気になったところ]
韓国の歴史に詳しいともっと楽しめるのかもしれない。固有名詞とかややこしいし。
日本でいうとどの時代がこんなドラマ作れるんだろう?やっぱ安保闘争の頃だろうか?
結構解釈が分かれそうなラストは気になった。

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先に上げた映画や他にもあるのかもしれないけど、この時代を描いた韓国映画は面白いです。
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