すし酢高跳び

ハントのすし酢高跳びのレビュー・感想・評価

ハント(2022年製作の映画)
3.9
パク・ピョンホーーーーーーーー!

韓国って、フルネーム呼びしますよね。

と言う事で今回はまたまた、韓国にしか出来ない、南北ものです!
しかも、スパイ潜入ものってきたもんだ!!

特に舞台が80年代の韓国ですし、KCIA(当時の中央情報部)の国内と海外の担当者同士が、互いを『お前が北のスパイだろ!』とやり合うので、そのバックには大統領やら政治的な匂いがプンプンの、ポリティカル・サスペンスアクションムービーでございます。

前半は、まぁ素晴らしいメンバーがカメオ出演するので、字幕と顔と演技を観るのに忙しいったらありゃしない。なんならセリフすらない方もいました。

日本も舞台になってるんだけど、悲しいかな日本ロケではなく(許可とかうるさいんだろなぁ)なんちゃって日本で、車がガッシャンガッシャン、銃はマシンガンだし笑

私、韓国作品のカーチェイスが大好きで。マイケルベイみたいのも良いけど、たまに酔うんだよね、アレ。韓国の方がリアルで、狭い所の使い方が上手なんですよ。

今回は抑え気味ではありましたが、カメオらしき俳優たちは、この辺で散っていきました笑
あぁ、逝かないで〜。

ことごとく、作戦が北にバレて行く為、仲間内に必ずスパイが居ると言われる。
国内リーダー、キム・ジョンド(チョン・ウソン)と海外リーダー、パク・ピョンホ(イ・ジョンジェ)がお互いに監視して、時に罠を仕掛けてまで相手をスパイに仕立てようとしていきます。

この作品、イジョンジェが主演なのは決まっていたのに、製作が暗礁に乗り上げ、業を煮やしたイジョンジェ本人が監督しちゃったってゆう笑

彼が元々はモデル出身なのを、今回初めて知りましたが、日本で言う「阿部寛が今回初監督して、脚本も主演もしてまーす!」って感じですよね。
メンノン出身、ヤバって話よ(何か違う)

で、その心意気にカメオ多発で、一個ネタバレしちゃうけど、私の大好きな(皆も大好きな)ファンジョンミンも出て来ます。

ま、出るのは当たり前よねー(何となく)で、出たら最後、もうそこは『ジョンミン劇場』になっちゃうんだから、凄いよねー。

もう、アクションも凄くて、2人がまさかの階段落ちするんだけど、行き着いたらイジョンジェのスーツの肩が破けてほつれちゃったのとか、気合い充分。

バンコクなんて、大爆発していい迷惑だったかもしれませんが、あそこは主演2人の顔が、砂煙でグレーになっても渋くて爆イケ散らかしてましたからね、ヨシとしましょう。

物語は、バックグラウンドが80年代って所が良い。もちろん、多少の韓国の歴史リテラシーは求めらるが、私だってそこまで詳しくない。

学生運動や、その学生が拷問されてる場面が出てくるが、それは『1987、ある闘いの真実』で同じ場面を観たし、ジョンドが軍にいた時の回想で、光州の市民虐殺のシーンが出てきますが、これは『タクシー運転手』を観ていたら詳しい説明がなくても理解できると思う。

北も南も思うところは同じ。今より国を、世の中を良くしたい。ただそれだけなのだ。

それぞれが持っている正義がぶつかり合い、行き着く先は?

ラストも、非常に好きでしたねぇ。

今回、チョン・ウソンさんの色気は抑えめでしたが、演技派揃いで熱い潜入ものならではの、切なさを堪能致しました。
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