
主人公の成瀬ゆずは、父・我二郎が創業した蕎麦屋『なるせ』の娘である。そして、『なるせ』で働く、哲平と恋に落ちて行く。そんな矢先に、我二郎は急死してしまう。ゆずの母・水江が何とか店を切り盛りするのだが、味は先代とは比べ物にならない。そんな時、我次郎の鮮烈な遺書が見つかる。内容は「もし、俺が死んで味が落ちる様なら、蕎麦屋なんてたたんじまえ!!」。我二郎の腹違いの娘・アキコがアメリカから一時帰国する。幼い頃に食べた父の蕎麦の味が出せない店に不満を漏らす。普段は職人気取りの父に腹違いの娘がいることを知ったゆずは、アキコに冷たく当たる。対照的に優しいアキコは只黙り込む。そして父の味を取り戻そうと必死になるゆずは、いつのまにかアキコの本心「幼い頃に食べた父の味」をもう一度食べさせてやろうと、必死になって行くのだった…。