2na

SHE SAID/シー・セッド その名を暴けの2naのレビュー・感想・評価

3.8
2017年からはじまった#MeToo運動。そのきっかけとなったワインスタインの告発記事を追った話しとのことで、重い語り口になるかと思いきや、直接的な暴力描写などは描かず、記者たちが真実を迫っていくジャーナリズム的視点で語られるため、嫌な描写がなくて安心しました。
ただそこで描かれている内容はほんとに信じられないような性差別、性暴力、有害な男性性なので、見ていて嫌な気分にさせられました。当時の録音と思われるテープの音声はほんとにゾッとしました。

中盤、ZP/ゼルダ(見たことあるなと思っていたらなんとサマンサ・モートン)の語り・演技にグッと引き込まれ、以降はハラハラと緊張感もありながらも、結果は分かっている話しなので、その瞬間が早く訪れるのを待つばかりでした。

主演の2人の演技も良かったのですが、上司(?)レベッカ(パトリシア・クラークソン)が存在感があってかっこよかったです。
そしてなんと言ってもアシュレイ・ジャッドをはじめ、実名で告発した方たちの勇気に尊敬の念を抱きました。

5年ほど遅れてようやく日本でも同じような告発があり、映画製作の暗部が抉られ出しましたが、世に出ていない事案はまだまだるだろうと想像してしまいます。

力のあるものが力のないものを叩く(どこかで聞いたことあるな)、そんな世の中が正されることを願うばかりです。