ねこ

SHE SAID/シー・セッド その名を暴けのねこのレビュー・感想・評価

3.8
ミーガンとジョディが娘の顔を見て願うであろうこと
それが本作の核だと思う

悪に加担している自覚がありながら自己の利益のために見てぬふりをし、都合のいい解釈で自らを正当化する人間の醜さを忘れない
そして、メディアが政治や法律の番人であるという矜持をなおざりにするようになって久しい中、それでもまだ真実を伝えるために奔走する記者がいることに一縷の望みを繋げたい

できることならあの日以前に戻りたい
何もなかった真っさらな自分に戻って、自分の人生を恥じることなく悔いることなく本物の笑顔で生きたい
そう願い続けていつか死ぬ人間の気持ちがわかるだろうか
虫ケラが何十年刑務所にぶち込まれようと、殺された心は戻らないのだ

涙がこぼれたのは、被害者にではなく記者たちの家族の風景に
記者本人も夫も子供も、みんなが何かを我慢し、ギリギリで暮らしているような気がしたから
どうか彼らが幸せであるように
ねこ

ねこ