いずぼぺ

SHE SAID/シー・セッド その名を暴けのいずぼぺのレビュー・感想・評価

3.9
私は声を奪われた

映画化した段階でノンフィクションではないのはよくわかってるけど、セクシャルハラスメントの構造をブレずに描いていることをまず評価したい。被害者は性的に虐待を受け、組織的にその被害を訴える声を奪われ、社会的に様々な権利を侵害されていく。恐ろしいことに被害者であると認識する力さえ奪われてしまうこともある。
ワインスタインの中世からアップデートしてない性的価値観がクソなのは当然の罪として、私が罪深いと思うのはワインスタインの行為がクソだと認識しながら何もしなかった人や隠蔽に加担した人だ。そしてもっと罪深いのは勇気ある告発者への無関心や誠意のない関心しか示すことの出来ないマスメディアとそれを受け入れてきた社会でもある。
私自身、気づかずして間接的に加害者となって来たのではないかと心が重たくなった。そのためか、この拙い感想文も5〜6回は書いては消しを繰り返している。感情がヒートアップして何をどう書いても落ち着かないのだ。

作中、調査をする2人の女性記者がそれぞれパートナーやお子さんがいながらも全力で仕事している様子を羨ましく思った。日本であの年齢ぐらいの夫婦共働きであの年頃のお子さんがいると女性であの働き方ができる人はとても少ないと思う。

−0.1は記者さんだからこそ、プライバシーに配慮してほしかったシーンがとても気になったから。あれは記者さんが勝手にお伝えすべき内容ではない。

いーっぱい書きたいことはあるけど、うまくまとまらない。もどかしいなぁ。
95-71