スープとコーヒーをこぼされた白シャツの気持ち(適当)。
ポストモダンという解説があったが、芸文においても研究課題のままらしいので本質的には未だ解明されていないと。

瞬きを我慢し、機械的に痙攣する肉体は必ず何かの暗喩を含んでいるはずだがこれだけじゃあじぇんじぇん分からない、耳元近くで昇降を繰り返す小型ラジオは循環するメディア、大都市のエレベーターとかそういう事なんだろうか…。

女性の下着が白から紫へ変わる瞬間こそ本作最大の見どころだが股間触りだしたり筋トレしだしたりするお茶目さよりも、変な液体をドロドロこぼしながら飲むシーンのせいで面白いより心配が勝つ。
あと脚や胸を撮りたい気持ちは分かるけど全景をもっと見せてくれよメカス。

2023/10/26 愛知県芸術文化センター
第27回アートフィルム・フェスティバル

『ジェローム・ヒルによるカール・ユング博士の記録映像あるいは「賢者の石」』1991年29分に続いて鑑賞。
ジェローム・ヒルが撮影した未完成のものを、メカスが引き継いだ。

『カップ／ソーサー／2人のダンサー／ラジオ』60年代ポストモダンダンスの男女2人組のダンサー。出演の1人であるケネス・キングについては、よく分かっていないそう。
このポストモダンダンスは研究課題であるそうだ。
男性は首から巻いた長く黒いネクタイと、身体にピッタリとした白いノースリーブと白の下着による全身白の出立ち。裸足で顔には60年代調の化粧を施し、ウエットでタイトな髪である。
女性も全身白でブラジャーとボトムには下着のガーターベルトに、バレエシューズ。
手に持ったコーヒーカップの中身を身体にこぼし、男は緑や黄で汚れていく。
ラジオからは、パトカーのサイレン、ビートルズのHard Day's Nightが流れるなか、女もカップの中身を身体にこぼし下着は赤に染まる。顔も汚れていく。
各々が自らの股間に触れるような性的なニュアンスも匂わせる。
男は腹筋連続、腕立て連続しながらも常に真顔であり、突如としてマネキンのように硬直するなど身体を張ったアートパフォーマンスを披露。

『ジェローム・ヒルによるカール・ユング博士の記録映像あるいは「賢者の石」』(1991) 29分　と合わせて