Jun潤

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらないのJun潤のレビュー・感想・評価

3.9
2022.11.04

予告を見て気になった作品。
アニメの影響からか、最近実写作品でも多くなってきたタイムループもの。
よりによって社会人の一週間がループするという地獄のような設定ですが、コメディに振るのか、メッセージ性を持たせるのか、どう転ぶのかもわかりませんが鑑賞です。

とある小さな広告代理店で働く吉川は、クライアントからのムチャブリに追われ、徹夜続きで仕事に忙殺していた。
しかし後輩社員の、これから起きる出来事を予言するかのような言動から、自身も日々の違和感に気付き、同じ1週間を繰り返していることに気付く。
タイムループの原因が部長にあると確信し、気付かせるべく先輩社員に徐々に上申していく作戦を実行する。
ついに部長以外の全員にタイムループしていることを気付かせ、部長に報告したことでループが終わるかと思いきや、原因は部下たちの思いもよらない意外なところにあるのだった。

バカ笑い・コメディ邦画の勢いが強え!
シリアスなサスペンス調にもできるタイムループという題材を扱っていながら、社会人の1週間を舞台にすることで、ループ脱出のための過程の中で仕事効率が上がったりプレゼン資料の完成度が高まっていくなど、描写の力強さがハンパない。

個人的には音楽も印象に残りました。
BGMの段階で観る側を煽ったりテンポを上げてきたりしていましたが、それだけでなく仕事中に鳴る雑音を組み合わせて音楽に仕上げてくる程とは、コメディ映画の中に秀逸なテクニックありですね。

タイムループものはSFだと原因を究明したり、ドラマだと登場人物の内面を描いていたりと、意外と作劇の幅が広いのが特徴。
今作では序盤に主人公の吉川が独りよがりな仕事のやり方をしているのを描いていたことで、周りの人と協力して作業を進めていくことや関係者たち同士リスペクトし合うことの大切さを説いていました。

正直その範囲内で上手く収まっていたら傑作レベルでしたが、謎に漫画執筆にハンドルを切ってしまい、仕事なんだか漫画なんだか、主題が行方不明になってしまった印象です。
部長が抱えていた悩み、それにリンクする吉川の悩み、そしてループする中で感じる日々の生活や時間など人生に関することが、漫画の中にも含まれていたものの、もう少しお仕事ものの範疇で解決まで持っていって欲しかったところ。
せっかく「味噌炭酸タブレット」なんてパンチしかない用語が出てきたのだから。笑

「「「「👐💥🐦です」」」」
Jun潤

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