失礼ながら「邦画のタイムループ系」ということで、あまり期待せずに観たが、、、かなり面白かった。
ローバジェット(映画業界でいう低予算)でここまで面白くできているのも素晴らしい。
広告代理店で働く吉川(円井わん)はプレゼン準備で大忙し。
そんな月曜日の朝、彼女は2人の後輩から「同じ一週間を繰り返している」という話を聞く。次第に自分達がタイムループしていることを確信していく社員達。
しかし、脱出の鍵を握る永久部長(マキタスポーツ)は全く気付く様子がない。この終わらない一週間のタイムループから抜け出すべく、社員達が奮闘する。といった内容。
完全なタイムループものだとトム・クルーズ主演の『オール・ユー・ニード・イズ・キル』が一番印象が強い。『バックトゥザフューチャー』でワクワクし『T2』で大興奮してきた僕にとって、時間をめぐる映画は大好き。
邦画だと『時をかける少女(1983年)』が最初に思いつくが、『戦国自衛隊(1979年)』の方が古い。子供の頃に観てドキドキしたのを思い出す。
ちなみに、最近では『東京リベンジャーズ』をはじめ「タイムリープ」という言葉がよく使われるが、これは和製英語で『時をかける少女』から登場した造語。
さて、この作品の主人公である女性社員の吉川は円井わんが演じている。「高畑充希や有村架純がこの役を演じてたらピッタリかも。人気女優でこの内容ならもっと映画がヒットしたのでは?」なんて、冒頭は思っていた。
しかし、その考えは間違っていたことを次第に思い知らされる。
円井わんだったからこそ、あのオフィスの独特な雰囲気が生まれたのだと。
途中「プレゼンの通し方」にウケる。笑
ブレスレットの後のシーンはシュールすぎて思わず笑う。笑
じわじわくる面白さ。
ループするごとに、みんなの一体感が出てくるのも楽しい。
また、映像は編集を含め、面白く作られている。
音に関しては、感情表現や煽りといった面で、劇伴やSEが効果的に使われている。
ホンキートンクのピアノサンドが、不安定な心情をよく表していたり、秒針の音が複数、混乱するように使われていたり。
ネタバレできないが、ラストも清々しくて好き。
部長を演じてるマキタスポーツ、いい味を出してるな~。。
短い時間でサクッと観られるし、時間もの好きな方にオススメ。
一緒に観ていて、”バードストライク”と言いたかったらしいが、「あ~、バードストライプね。」と発した、中2になるウチの次女。
「・・・うん。それじゃシマシマな。」
君は、タイムループしてやり直してくれ。