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素晴らしき日々も狼狽えるの440のレビュー・感想・評価

素晴らしき日々も狼狽える(2022年製作の映画)
5.0
初めての1番レビューなので気合い入れて長文書かせて頂きました。
本当はこの映画にも出演しているlocofrankのライブを見た次の日に観ようと思っていたが、台風の影響で月曜日に変更。

「僕らの街は、僕らで創る。」

今年で10年を迎えた鹿児島で行われている日本で1番小さなフェス「WALK INN FES」に密着したドキュメンタリー作品。

「WALK INN FES」には2021年、2022年と参加させて頂きました。
まさに今住んでいる家から歩いて行ける距離で開催されており、この2年はコロナの関係もあって客も500人くらいしかいなかったように思う。

このフェスは地元のバンドマンや音楽関係者が手作りで行われているとてもアットホームなフェス。
2日間音楽だけでなくキャンプも出来るし、子供達も参加できるワークショップなどイベントも手作りで盛り沢山。
桜島が一望出来るロケーションにステージが立っており抜群の景観。
チケットも1日券が3000円という破格の値段。

全国で活躍するゲストアーティストと地元のアーティストが混成したタイムテーブル。
音楽・鹿児島が好きな人たちが集まる温かい場所なんだというのは会場に行ってすぐ感じた。

映画では2014年の初開催から今年2022年の開催までのステージやバックヤードでのアーティストのコメント、主催者 野間さんとスタッフの活動や思いが描かれています。

もちろん健バンドとハスキン イッソンのWALKコラボや、TOSHI-LOWと細美さんのPLACEBOなど激アツ演奏も拝めますが、俺は野間さんの行動にとても共感できて胸が熱くなった。

俺は29の時、転職するにあたりすごく悩んだ。
地元の東京以外での生活は考えてもいなかったし、その頃の生活は充分幸せだった。
でも新たな志を持ち、挑戦をしなきゃこれ以上の成長も出会いも無いと感じ一歩踏み出そうと思った。
「人生で今が1番最高」と思えるのはその時からかもしれない。

スクリーンに映し出される野間さんには覚悟と思いやりを感じ、今やるべきことを色々考え、悩み、自分のため、みんなのために挑戦しようという強い想いを感じた。
こういう人には同じ志を持った良い人たちが集まってくる。
そうして出来たフェスだからこんなに素敵な空間なんだろうなと思いました。

この作品で描かれている事に対し、本編の最初と最後に女の子が見たもの感じたものを語るシークエンスがあります。
多分この作品を作った目的や伝えたい事を解説してくれているんだろうけど、正直あまりいらないのではと感じました。
そこまで丁寧に作らなくても熱いメッセージはバンバン伝わってくる作品なので。

音楽好きな方はもちろんですが、新たな挑戦をしたいと考えている方にそっと背中を押ししてくれるような作品なので是非劇場へ足を運んでみてください。
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