「地元に囚われた人々」の中から外の世界へ羽ばたこうとする物語。
出所後、弟の結婚式で、悪友との再会。いきなり抜け出しては娼婦と一発。出所直後の友人をひたすら悪事に勧誘しようとする二枚目ボビーとロン毛コスタ。保護観察中のガブリエルはその誘いを断り続けるが、カッとすると反射的に殴ってしまう癖は健在。
ショーウィンドウは割るし、喧嘩もすし車も盗むけど、女を殴るのは一線を越えているという彼らの善悪の境界線。大人になりたいのに環境によってなかなかなれないジレンマ。頑張って周りも巻き込んで状況を良くしようと頑張るものの、なかなか理解してもらえない。思ってたよりかなり真面目な主人公像だった。
演出はかなり好みで、背景のディテールまで凝っていてカメラにも工夫がある。ただ、店に入る瞬間とか、キスする瞬間とか、画角はそのままなのに変なタイミングでカット割られるのにインド映画的な違和感があった(悪いとは言ってない)。ファティ・アキンの中でもかなり好き。