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『大いなる愛』に投稿された感想・評価

ナチス時代におけるすべてのドイツ映画の中で最高のヒット作。動員記録は2700万人で当時のドイツ人口の半数近くに上る。主演は寺山修司が愛聴し美輪明宏やヴェルヴェットアンダーグラウンドのニコが憧れてモデルにした、ナチスドイツ映画の歌姫、ツァラ―・レアンダー。

戦時下のドイツを舞台に、空軍パイロットと人気歌手との戦争による恋のすれ違いを描く。それまでのツァラー主演映画は“異国”か“過去”の物語だったが、本作で初めて同時代のドイツを舞台にしている。空襲や物不足など当時のドイツ市民と同じ状況下で繰り広げられるメロドラマが、特に女性たちの支持を集めたであろうことは想像に難くない。

ツァラーの主演作はダグラス・サーク監督による最初の2作「世界の涯に」(1936)、「南の誘惑」(1937)からずっと悲恋が描かれてきた。その物語パターンは、ツァラー演じるヒロインが異国的な男性への恋で理不尽な苦難に陥り最後に身近な者に救われるというもので、“現状を肯定せよ”というナチス政府によるプロパガンダが見て取れた。それが本作ではドイツを舞台に困難を乗り越える前向きな恋愛ストーリーとなっていてプロパガンダ色が目立たなくなっている。戦局が激化する一方で、映画がより大衆が喜ぶ方向へ舵を切っていることが興味深い。

ツァラーの歌も、これまでの映画では物憂げな曲ばかりだったのが、本作では前向きな曲を歌い笑顔も見せている。披露する5曲の中でも特に明るい曲調で大ヒットしたのが「Davon geht die Welt nicht unter(それで世界は終わらない)」。
http://www.youtube.com/watch?v=LxvouLIlWv8
いかにもドイツ風の巻き舌をふんだんに使って歌い上げるラブソングで、その歌唱シーンは本作屈指の名場面と言える。兵隊の慰問コンサートで♪悲しい恋。でもそれで世界は終わらない。灰色に見えることもあるけれど、いつかまたもっとカラフルに、青空に変わるでしょう♪と歌うツァラー。最初は固い表情だった兵隊たちも、聴くうちに表情に明るさが差してくる。途中でツァラーが自身の悲しい恋愛を思い出し歌に詰まるのだが、会場がリフレイン合唱で支え最後に大合唱で終わるのである。この演出とカット割、驚くべきことに後の「サウンド・オブ・ミュージック」(1964)のクライマックス、“エーデルワイス”合唱シーンと酷似している。オーストリア国民が“非ナチス”を歌で表明する名シーンの元ネタが、ナチスドイツ最高のヒット映画である本作にあることは意外すぎであり、今後そこに含まれた意味を考察していきたいと思う。

この歌は「ドレスデン運命の日」(2006) の劇中、戦時下ドイツの映画館のスクリーンに歌唱シーンごと投影されている。「イングロリアス・バスターズ」(2009)ではサントラとして引用され、ダニエル・シュミット監督×ファスビンダー脚本の「天使の影」(1976)ではヒロインの父親が女装して退廃的に歌っている。

※「それで世界は終わらない」が同性愛者の友を救ったエピソード
ツァラー主演の2作目「南の誘惑」(1937)。その主題歌「ラ・ハバネラ」は世界的にヒットしたのだが、直後に作詞のブルーノ・バルツが同性愛を咎められ収容所に送られた。一緒に曲を作った作曲者ミヒャエル ・ヤリは何とか救いたいと「彼は必ず国に役立つ歌を作る」と政府を説得、仮釈放させてもらい二人で「それで世界は終わらない」を制作した。歌ったのは旧友のツァラー。結果、映画も歌も空前の大ヒットとなり見事に政府との約束を果たした。後にこの件が広まり、ツァラーは多くの同性愛者からの支持を集めることになった。

※本作の監督は36歳の若手監督ロルフ・ハンゼン。本作以降ツァラーがドイツを去るまでコンビは続き、後にツァラーは「彼こそが自分という女優を最高に理解してくれた監督だった」と述べている。デビュー作から2本を監督したのは巨匠となるダグラス・サークだが、ツァラーは笑顔になれる映画のほうが好きだったのかもしれない。