ぺー

明ける夜にのぺーのレビュー・感想・評価

明ける夜に(2023年製作の映画)
2.4
映画 明ける夜に(2023)日本/95分
監督.脚本.出演 堀内友貴
主演 五十嵐諒 花純あやの

僕が専門1年の時に、クラスメイトの友人が本作に演出助手で参加してました。2021年の9月頃でしたな。なんか楽しそうな雰囲気の現場だったらしくそんな噂が広まってた記憶があります。
堀内監督作品は今んとこ「また春が来やがって」と「私は多分絶対にかわいい」とテレビで以前放送されてた「ビューティフル・コンビニエンスワールド」を観ました。
作品の良かった点としては、青春っぽさが表現されていて、その作風にあった撮影による映像美が現代っぽいなと思ったことです。恐らく堀内監督は人間同士のヘンテコなやり取りの描き方が上手いんだなと感じました。太宰治を愚痴るシーンとか、浜辺にいる頭だけの人の前で花火ぶっぱなすシーンはクスッとしました。ヤリマンの女性の店員の人の醜い部分とかとてもよく描けてましたね。ラストの謎の人と浜辺の頭の人が何者だったのかとか、考察が楽しくなる要素もあり、おおってなりました。
冒頭の掴みも見事です、電話越しの包丁を構えた女性、何が起こるんだとワクワクさせられました。
8/31~9/1の、人が大体鬱になって黄昏れる変な習性を持つ日々の中に、登場人物が世界観に溶け込んでいました。
人の心情を深く描くのは観ていて得意だったとは思います。
悪い点として、作品自体の感想になってしまいますが、面白くは無かったです。楽しくもなかった。観終わってからの「良い映画を観た、新しい事に挑戦した映画を観た」気分にもならなく、余韻を持たせるカットが多いのは演出のこだわりを感じますが、別にそこまで心に残らなかったです。逆にそれが多すぎて、たった95分なのに対してめちゃくちゃ長く感じて怠く感じてしまうところが苦手でした。
最近の邦画であるあるな、会話劇と群像劇が混じった作品が次々に量産されてしまうのがちょっと怖いです。それしか無くなった邦画が嫌になってしまいます。
僕が2年間いた専門学生は今泉力哉監督の影響を受けすぎて会話劇を作る方向にあります。もうそろそろ、正直、新鮮味のある作品を観たいです。
リアリティ重視ならリアリティが全くありませんでした。
現実味のある物語に対して変人ばかりで疲れました。
題材がいいのに誰にも共感できないのが残念でした。
周りが堀内さんが天才だとよく仰っていたのがよく聞けましたが、監督が言ったことに対してスタッフがよいしょよいしょしてたせいもあってか、忖度で制作してる感じがあったらちょっと大問題です。どんな映画でも誰もが何回も何回も本打ちしなければいけないです。この人が言った事は絶対だ!って流れがあったならば改善しなければなりません。
ちなみに僕が今まで観た邦画の会話劇で完成度が高いのは「偶然と想像」です。オススメです。
上映後のトークで、監督がスタッフみんなでアイデアを出して作ったと仰っていましたが、チームワークめちゃくちゃ良かったのは羨ましいです。
演出助手で参加した友人も今はプロの映画現場で撮影部で活躍してるらしいです、僕も学生映画で2回彼と同じ現場で参加したことありますが、怒鳴るくらい映画製作に対して熱い想いもあるし、俺がクラスの端でヲタ活してると面倒見てくれる超良い奴だし、今後、良い作品に携われることを祈ってます。
おーい、友人見てるか?そろそろ君の監督した作品を観たいよ。待ってるで。

本作のスタッフの皆様、これからも頑張ってください。
応援してます。

あと右隣にいた帽子かぶった模様入のシャツ着たサングラスのおっさん、上映中にスマホいじんな。仕草うるせぇぞ。
ぺー

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