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アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜のなでしこのレビュー・感想・評価

3.2
〜人は幸せな時にケーキを食べる。
ほろ苦い人生を少しでも甘くするために〜

原作はよしながふみの漫画「西洋骨董洋菓子店」
月9ドラマ化やアニメ化もされてますが、原作もドラマも見ずに予備知識無しでいきなり韓国版を観ました。

爽やかイケメンが美味しそうなケーキを売りながらいろんなお客様とふれあい、恋に仕事に熱く打ち込む…みたいなものだと思ってたら…!
BLものだったのですね〜。しかもサスペンスも。

正直に申しますと、私にはイマイチ響きませんでした。
もちろん主演のチュ・ジフンやキム・ジェウクはセクシーで素敵でしたし、たくさんの美味しそうなケーキも拝めたので悪くはなかったですが、途中突然ミュージカル風になったり、空想世界みたいなシーンあり、なんかコメディなのかシリアスなのか、何を伝えたいのかが見えなくて感情移入できなかったのです。

最後まで観ねば!と思ったのは、主人公はケーキを食べるとすぐに吐いてしまうくらいケーキ嫌いなんです。なのに、脱サラしてケーキ屋を開くんです。ケーキ嫌いは子供の頃にある事件があって、それが要因らしいのですが、そうまでしてなぜケーキ屋を?何があったのか⁈と、この疑問を解決したくて観了できました。

後で原作の概要を見たら本作と設定などはほぼ同じだったにもかかわらず面白そうだったのでせっかくいい作品だから、もう少し心を揺さぶってくれる脚本にしてくれても…とあくまで個人の見解ですが感じました。

🍽美味シーン🍽
★ケーキ🍰★
題名の通り、数々の美味しそうなケーキが登場します。
オープニングはソヌの元恋人のジャンの
ガトーオペラの話から始まります。

そして、劇中はシャルロット・オ・ポワール(西洋梨のムースケーキ)、クリームチーズを使ったグランマニエ入りオレンジゼリームース、レモンクリームタルト、ラベンダーシロップ入りのスポンジを使った紫色のモンブラン、ラズベリームースケーキ、生姜ムースとお餅のオリジナルモンブラン、イチゴピューレが入ったココナツジュースババロア…たくさんのスイーツがまだまだ出てきます。

ガトーオペラ。。。1955年にダロワイヨのオーナーが考案したチョコレートケーキ。パリのオペラ座に見立てて作ったとか。チョコクリームやバタークリームなどで層を作りコーティングしたものでフォークを入れると各層の感触を楽しめたり、チョコシロップのしみたスポンジに様々な味が重なって何とも言えない至福感に襲われる…大好きなケーキです。

この物語はケーキ嫌いなオーナーである主人公をはじめ、魔性のゲイであるパティシエ、元ボクサー、見た目は怖いが何をやってもドジな幼なじみなど、4人のイケメンで洋菓子店"アンティーク"を切り盛りしてます。
"アンティーク"は甘さやほろ苦さや濃厚さなど様々な素材の味を重ねた層で1つの素敵な味となるガトーオペラと重なりました。
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