南森まち

2つの人生が教えてくれることの南森まちのレビュー・感想・評価

3.5
アニメ製作を目指す女子大学生。一夜限りの性交をして妊娠検査をする所から、人生が分岐する…という物語。

妊娠した場合としなかった場合の2パターンを並列に見せる手法が面白い。ただ、その手法のみが本作の見どころ。
そうなると、やっていることは『Detroit: Become Human』の劣化版で、映画で2パターンのエンディングを並列に見せただけだ。
ただ、アイデア一本勝負作品とは言え、出来がもう一つな作品の多いNETFLIXオリジナルの中では鈍く光っていると思う。

ストーリーは、「アニメ製作者を目指すアメリカ白人女性」というテーマが珍しいくらいで、凡庸なよくある展開。中盤は完全に中だるみしている。
そしてそれぞれの物語に大きな山場がないため物足りない。
最後にもうひとひねり欲しかった。

結局のところ、それほど面白くない二つのお話を1時間ずつ見せられていた。
途中から並列構成にも慣れ、どちらの話も中盤あたりからオチが見えてくるため、この映画の着地点も見えてきてしまう。

また、子どもが完全にトロフィーのような扱いだったのも違和感。
出産・育児を語るならもうちょっとこう…何か大事な事を語るべきではなかっただろうか。
作中で出てきた「母親になったらもう元の生活に戻れない」という言葉が宙ぶらりんに浮いてしまった。

作中の台詞「アニメを実写化する!?アニメの実写化は、前の晩見た夢を人に話すようなことよ!」は素直に面白かった。
Twitterであふれてるアニメファンと同じこと言ってらぁ😅

評判が良かったので期待しすぎて、個人的にハードルを上げてしまった。
ぶっちゃけこの手法で他の映画(ゾンビとかSF)とか撮ると良いとおもう…
でもそうなると、いよいよ『Detroit: Become Human』なんだよなぁ…