演出家3人による監督集団「5月」の初長編作品、分業ではなく3人で脚本・監督・編集をやったという作り方が新しい。
物語は映画の端役で何人もの別人を演じる記憶喪失の男の話。
男を演じる香川照之さんの圧倒的な存在感に引き込まれる。
真実のようで実は虚構という演出の連続に今観ているのも真実ではないのでは?と勘繰ってしまう。
“間” が長く状況説明がないので、観る者が余白部分から意味を感じ取らなければ、肩透かしな終わり方が難解に見えてしまう。
実は男の記憶は喪失しておらず、消し去りたい過去に追い回されているだけ。
違う誰かになろうとしても必ず自分に戻って来る因縁が哀れ。
私はそのように解釈した。
監督 監督集団「5月」
関 友太郎
佐藤雅彦
平瀬謙太朗
キャスト
香川照之
津田寛治
尾美としのり
中越典子
野波麻帆
大鶴義丹
尾上寛之
諏訪太朗
黒田大輔