三樹夫

拳銃は俺のパスポートの三樹夫のレビュー・感想・評価

拳銃は俺のパスポート(1967年製作の映画)
3.3
島津組の組長(アラカン)の暗殺を依頼された主人公が狙撃に成功し舎弟のジェリー藤尾と逃亡を計るのだが、追手が迫って来て中々逃げられない。主に宍戸錠とジェリー藤尾が、迫りくる追手をどうかわすのかというのがこの映画のメインである。つまり無事に追手の手の届かない所に逃げてまでが暗殺ですみたいな。暗殺を依頼してきた組の組長は内田朝雄なのだが、案の定最終的に島津組の二代目と手を組み、ネズミを始末せねばなりませんなぁと、ぬけぬけと宍戸錠とジェリー藤尾を追いつめる側に加わる。
美奈(小林千登勢)の境遇と追手から逃げている主人公の状態が重ね合わさるのだが、宍戸錠とジェリー藤尾のホモソーシャル的関係要素の方が勝っちゃって、宍戸錠とジェリー藤尾のホモソーシャル関係を男の人のそういう関係って羨ましいわ(勿論友情的な意味で)、と一歩引いたポジションに留まってしまっていた。だから、いまいち何とも言えないキャラというか。そしてクライマックスの宍戸錠VS追手10人の西部劇へとなだれ込む。

この映画観て思うのは、全編がラストの西部劇テイストだったらなぁと。脱構築への一歩的な作品なのかもしれないが。
この映画のタイトル拳銃は俺のパスポート、拳銃と書いてコルトと読むのだが、ぶっちゃけコルトあんまり関係ないよね。最終的にベレッタとショットガンと爆弾だし。日活の拳銃といえばコルトだけどさ。弾丸が俺の指紋はいつか言ってみたいが、そんな機会は一生無いだろう。宍戸錠はこの映画が好きと殺しの烙印のDVDに入っているインタビューで言っていました。
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