拳銃は俺のパスポートの作品情報・感想・評価

「拳銃は俺のパスポート」に投稿された感想・評価

さとう

さとうの感想・評価

3.3
清順がどれだけ天才かを見抜くには当時のプログラムピクチャーの作家で比較するのがいいかなとこれを。まあ、脚本が活劇してて、かつ西部劇と詩的レアリズムがミックスされた感じでなかなかに面白い。だが、なんか変なジグザグなティルト撮りが歪つだし、さすがに何にもない荒野で撃ち合いみたいなのは東京流れ者のバーよりムチャクチャな撮影だと思う。射撃に工夫がなくて残念。え、アラカンがちょっとだけ出てくんのがツボ
「ある殺し屋」(といっても、あの市川雷蔵ではない)を宍戸錠が演じ、舎弟にジェリー藤尾、そして宿屋の女として綺麗な小林千登勢を配した結構よく出来たハードボイルドタッチの映画。

警備が厳重な島津組の組長(アラカン)を射殺するために雇われた殺し屋(宍戸錠)は、凄腕の殺し屋であり、見事な仕事をする。 
しかし、実行後、エアフランスで海外逃亡する事が島津組に伝わっており、空港で逃亡は出来なくなる。
→ここの物語展開で「なぜ、海外逃亡するのが敵側に漏れたのか?」が非常に疑問。 

そして、仕方なく、横浜の宿「なぎさ館」に行くと、小林千登勢が居る。 
→ここで、また不思議なのが、敵側が「あいつらは、なぎさ館だ!」と宿まで特定できているってなぜだろう?
これまた、非常に疑問。 

「女はダルマ船で生まれた女」とのセリフ、ダルマ船って時代を表現している。 

ただ、この映画、カメラが凄く良くて、上手く撮っているのが分かる。素晴らしい。
物語展開に若干の難があるものの、なかなか良い日活映画であった。
otom

otomの感想・評価

4.2
宍戸錠のハードボイルドアクションの大傑作。「俺は逃げるんじゃねぇ、生きるんだ」キリッ。って云う台詞が似合う人もそういない気がする。日活スコープで映しだされる、だだっ広い埋立地での銃撃戦は圧巻。ジェリー藤尾がいささかホモくさい気もしなくはないが、素晴らしい作品である。
くずみ

くずみの感想・評価

3.8
説明せず、身体で魅せる心地よさ。乾→湿→乾。ドライなアクションと、そうはなりきれない日本の風土とのせめぎ合い。銃や肉体を舐めるように撮る。
新文芸坐セレクションvol.4
絶対に観てほしい活劇 電光石火の24本@新文芸坐

拳銃と書いてコルトと読みます。

ラストの銃撃戦、ほんの1分くらいなのに強烈な印象を残すくらいカッコ良い。そして最期の爆破シーン、荒唐無稽で笑うしかない。
最後の対決のシーンは、まるで『マッドマックス怒りのデス・ロード』のエッセンスを簡潔に濃縮した感じで凄い! 本作での、サイレンサー装着の銃撃音は忘れがたい。

本作も宍戸錠の代表作の一本として挙げられることが多いが、それは宍戸錠の後ろ姿・背中が魅力的に撮られていることに因る(おそらく自分が知らないだけなのだろうが、このような演出は昨今の日本映画では失われた)ようにおもう。

欠点は、ヒロイン小林千登勢の華のなさと音楽が若干湿っぽ過ぎることくらいの、矢作俊彦をして60年代日活アクション随一(https://twitter.com/orverstrand/status/242949707595399168 )と評価された必見の傑作!
shibamike

shibamikeの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

コルトは俺のパスポート~♪
黒くて硬いパスポート~♪
スタッガーリーの頭に~こいつをぶち込んでやるさ~♪

日本が誇る天然ロケンローギタリスト真島昌利が作った傑作「アンダルシアに憧れて」の一節に出てくる「コルトは俺のパスポート」。なんちゅうイカすフレーズなのか、と思っていたら、そのままのタイトルの映画があると知り、「元ネタあるんかい!」と1人ずっこけ、今回ようやく鑑賞の機会を得た次第でありんす。

おふざけ無しの直球ハードボイルド。映画鑑賞後、自分は宍戸錠よろしく頬っぺを膨らませながら肩で風を切って映画館を後にし、富士そばで盛りそば1枚を注文したのは言うまでもない。

1つもミスを犯さない完全無欠の殺し屋宍戸錠扮する上村。口数こそ少ないものの頭には常に考え事が充満しており、つい口に出してしまいそうなのを頬っぺに膨らませて留めている。そんな殺人リスを「兄貴!」と慕う塩崎。

まずカッコ良かったのは上村が殺しの凶器をためらいもなく捨てるシーン。勿体ねえでゲス!とブー垂れる塩崎に上村が一言。「島津の腹ん中に俺はたんまり指紋を残して来た。その指紋を今消しただけだ。」カッコいい~!

依頼人からの殺しをキッチリ済ませた上村達だったが、殺しのタイミングが悪いだぎゃ!とケチが入り、反対に命を狙われることに。最後は依頼人の暴力団からも裏切られ、いよいよ背水。

上村達が身を潜める「なぎさ館」の憎まれ女将を武智豊子が演じるが、この人面白い!「女エノケン」の異名をとっていたらしいが素晴らしい。

埋め立て地での最終決戦。上村の作戦はちょっと想像の斜め上をいくものだった。犬死にしてたまるか、と頭をひねって考えたのが散弾銃と時限爆弾の攻撃。時限爆弾の練習で豆電球を何度も光らせたり日曜大工感を見てしまった。

数人から撃たれまくっても死なない、というのも凄いが、車でバンバン撃ってくる暴力団員をギリギリでかわすのも半端ない。磁石でカチッと車に爆弾を取り付けるのはちょっと笑った。

色々、突っ込み所がある気もするが、そんなイチャモンを全部ブッ飛ばすハードボイルドパワーが本作にはある。

アンダルシアに憧れての歌と映画の内容に関して、特にリンクする点を自分は見つけられなかった。

ちょっと遅れるかも知れないけれど~♪
必ず行くからそこで待ってろよ~♪
必ず行くからそこで待ってろよ~♪
車と船と拳銃。冷たい機械と都市の中で蠢く人間たち。その記号で成り立つ映画なので必然的に「無国籍」となる。ドライな構図の美学。ダレることのないこの作品に、もはや言葉は必要ない。
ako

akoの感想・評価

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どうするんだ?という連続をクールに切り抜ける主人公が渋くて、モノクロの映像はノワールっぽくも見えるのだけど、音楽もあって西部劇のようにも見えるし、もちろん日本感もあって、とにかくかっこ良くて面白い映画でした。
ほし

ほしの感想・評価

2.5
結局ガンアクションは指先ひとつ曲げるだけだ。ならばそれをどう撮るか。ほとんど失敗していると言ってもいい本作だが最後の荒野だけは違い、ぐるりと回転する宍戸にイーストウッドを思い出す(ペイル・ジョー!)。
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