このレビューはネタバレを含みます
ミア・ゴスによる素晴らしい演技! どう観てもアカデミー賞(←賞自体に関心無いけどもw)あたりを受賞して当然の、強烈な演技力だと感じた。スラッシャーな表現を差し引いても、人間的な弱さと危うさを体現する彼女の姿が、強い衝撃を与えてくれる。
賞賛を浴びる特別な存在であるべきと願う理想の自分。しかし、閉塞的な環境に置かれている現実の自分。未来への無邪気すぎる希望と、今現在の出口無しの絶望。それらの間で、顔面をぐっしゃぐしゃにしてもがき続ける、泣いて笑っての顔芸に誰もが目を奪われるはず。長回しのあの独白シーン、ラストのあの笑顔と涙…実にショッキングでフレッシュな映像だった。
彼女が感情をあらわにして、怒りをブチ撒けるシーンは爽快感すらある(二度見したw)。その怒りは、サイコパス気味であるし、第三者にとっては身勝手で理不尽なものかもしれないが、なぜだか観ていてカタルシスを感じてしまった。
それ以外にも、タイトルの出方、ママとのタイマン、パパとの抱擁、素敵な晩餐などなど、最高なシーンが山ほどあるので、加点に加点が続くお腹いっぱい映画でした。完結編にも大期待であーる。