このレビューはネタバレを含みます
前作『エックス』が自分的にちょっと微妙だったので、評価の高いこちらもあまり期待せずに見始めたのですが、抱えている問題が結構身の回りに起きていることともリンクして、かなりクリティカルな内容だったと思います。
自分が最近見ている配信者でも実家住まいでもヤングケアラーとして親の介護をしつつ、働こうにも精神的な問題も抱えているので、なかなか合う職が見つからないという話も聞くし、映画の中のパールも、今の現実から逃げ出したい一心で、いろんな人にすがろうとするんだけど、全部うまくいかなくて、最後の良心みたいなものも粉々にされてしまうようなところも、かなり辛い気持ちで見てしまいました。
ただ、映画を通して、ただただ「パールかわいそう」とはならず、序盤でちゃんと「あ、この子、やっぱりどこかちょっと人と違うんだ」というところをちゃんと見せてくれて、将来の殺人鬼として、きちんと憎める要素を足してくれているのは、ホラー映画としてとても親切設計（？）になってるなーと思いました笑
そしてなんといっても、ラストのあの顔面ワンシーンは今まで見たことなくかなり圧巻でした。
あれだけひきつった笑顔の中に様々な感情が来ては通り過ぎないまぜになっていく様子をリアルに見せていってるような感じで、あのカットを考えついたのは天才級だと思います。
