マ

ファニー・ページのマのレビュー・感想・評価

ファニー・ページ(2022年製作の映画)
4.4
オタクの顔面の汚さが映画の殆どの推進力を保ってる、つーかオタク以外の人もめちゃくちゃ汚い 不細工とかの話以前に汚い。サフディ兄弟のパワーを見習う様に、ひたすらドアップで画面いっぱいにきっっっっったないオタクの顔面が映り続ける。あまりにも (褒め言葉として)"露悪的"な作品だと思う。冒頭から全裸中年男性が現れるし、映画史上最も衝撃的な鬼頭も登場するし。

大人は子供を都合良く甘やかす、子供は大人の甘やかしに乗っかりきる、その「イタさ」をノア・バームバック作品を観る気分で笑ってると、いつの間にかとてつもないホラー展開に変貌する。主人公は"アーティスト未満"の苦しみと地獄にまだ直面してなかったけど、結局ウォレスを通してソレを見ちゃって、コトの直後にコミックストアのカウンターに座る。結局そこが主人公が「漫画家」として座れる最高点なんだと思う。同時に自分が好きなものへの愛も確実に...

主人公に良くない自信を付けさす死んじゃった師匠は完全に無責任な大人(つーかペドフィリア?)として描かれるし、自分の漫画を読んでる時にニヤニヤすんのとか地味に最悪な描写だし、ノア・バームバックより何倍も厳しいね。なんだかんだ初監督作品でここまでのクオリティのモノを作れるオーウェン・クラインが、この地獄を描くのにも痺れる。
マ