もこみ

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしいのもこみのレビュー・感想・評価

3.9
小学2年生のときに父親に買ってもらった喋るペンギンのぬいぐるみに「ななくん」と名付けたのを真っ先に思い出した笑
当時僕は7歳だったから、ななくん。

いや〜そういうことあるよね、って思う箇所も多々あった。特に金髪。急に金髪にする奴、その理由が最初から最後までよく分からないままプリン色になる奴、確かに、いる。
近年、「傷付く」という言葉の用いられ方があまりにも都合よすぎない?と思うことがある。「生きづらさ」を他者と共有して癒しを得ているようで、実はその感情や言葉はマーケットに消費させられているだけじゃないか、本当に儲かっているのは誰?

この映画はそういう構造とは別の場所で誠実に向き合おうとしているとは思った。加害者であることを開き直ってはいけないけれど、被害者であることがそれを免責するわけでもない。自分が自分であることについて、常になんらかの居心地の悪さを感じながら生きていく。だから他者との関わりが意味を持つ。それを「話そう」という結論に持っていくのは陳腐だけど確かなこと。ぬいぐるみは傷つかないんじゃなくて、待ってくれる。あなたがいくら逡巡して言葉に詰まっても待ってくれる。
でも誠実だったのはこっちを向いてる人だけだったのかも
もこみ

もこみ