薬害企業とその経営者一族に対する抗議活動と、その急先鋒を務める写真芸術家ナン・ゴールディンの人生の両輪で綴る、複雑でヘヴィーで力強いドキュメンタリー。自分は写真が趣味の一つでもあるので非常に興味深く観た。
日本にいると全く感じることができないのが、アートやアーティストの影響力の大きさ。社会問題についてアーティスト (やミュージシャン) が口を挟むと「芸術だけやってろ」と非難されるのが我が国の悲しい現状。
いやはやしかし、ナンとその周囲の人々の人生は、ゲイ、レズ、DV、エイズ、薬物依存となかなかヘビー。家族の問題、特に冒頭も最後もナンの姉バーバラの話で、彼女の自死がナンの人生に如何に大きな影響を与えたかがよくわかる。