たぬき

美と殺戮のすべてのたぬきのネタバレレビュー・内容・結末

美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます


『人生とはおかしなものだ。虚しい目的のために、なさけ容赦のない筋道が、どういう具合にか用意される。人生に期待できるのは、せいぜい自分について何事かを悟れるということだけだが、それは常に遅ればせな悟りであって、つまりは悔やみきれない後悔を得ることでしかない。』

ナンの姉が引用したコンラッドの闇の奥。
この引用を読む両親の映像が流れるけど、身の毛もよだつシーンだった。ナンにもバーバラにも母親にも父親にも、どうしようもないことだったかもしれない。

ナンには写真の才能があり、さらに表明の尊さもわかっていた。表明が可能な人には、家族の闇も、社会の闇ものしかかってくる。でもナンは決して折れなかった。
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