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熊は、いない/ノー・ベアーズのraのレビュー・感想・評価

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村の閉塞感やば。宣誓がハッタリでも良いと言ってしまうところ、みんなで嘘の仮面を被って自分の心身の安心と安全を蔑ろにして何よりも「伝統」に拘る滑稽さを感じ取ってしまい、居心地が悪くなった。伝統のためではなく自分自身のために生きるべしという価値観はそれはそれで害悪な面があることもわかるけど

国境を踏んでいると知って思わず飛び退いて踵を返す監督の姿に心臓がギュッとなった。政府によって出国禁止になっているという問題と撮りたいものを撮るという自分の心のせめぎあいが辛い。
現在収監中なんですね。

ドキュメンタリーの危うさ、難しさも改めて思い知らされた。観客にも課題があるし制作側にも課題がある。切り取ること、100%の現実を映すことができないのは当然としても観る側が求める画というのは確実に存在し、作る側はそこに合わせたいと思うために現実を撮ると言いながら平気で捻じ曲げてしまうことがある。
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