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熊は、いない/ノー・ベアーズのあのレビュー・感想・評価

3.7
監督が収監されている映画は何事かと思い観にいきましたが、イランはつらいですね...。

「映像が世界を救う!」などと傲慢なことを並べていないところに好感が持てました。映像は時に暴力的になるけども、しかしカメラを回したいとする監督の思いが非常に力強かったです。

その反面、どこか村の慣習であったり、偽造パスポートであったり、象徴的なものを映すことに終始していたように見え、個人的には若干退屈でした。以上のことはニュースを見ていれば、大体そうなんだろうな、と分かります。

僕らはイラン人ではないので、欲を言えば「こうのとり、たちずさんで」の国境を挟んだ結婚式みたいな、一撃で複雑な感情を共有できるシーンが欲しかったです。ラストも衝撃的といえば衝撃的ですが、予想の範疇だったので、アンゲロプロスみたいに、全くの変化球を画面の端から投げてきたら面白かったのですが...。
あ