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ボーンズ アンド オールのkenのレビュー・感想・評価

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)
2.5
2023年劇場鑑賞11作目

まずは頑張った自分へ👏
怪我や殺人シーンの血しぶきなら平気だけど、臓器とか人体をじっくり見せられるグロ描写が苦手で、観始めてから少し後悔...それでも最後までスクリーンから目を背けず、今日もまた成長できた。

今作待ってました、ティモシーシャラメ最新作、フレンチディスパッチ以来1年ぶりのスクリーンティモシー。
Call me by your nameの監督との再タッグというのだから期待値高め。
ティモシーのご尊顔アップを正面から拝めるお宝シーン満載!

VOGUEチャンネルの解説動画では、監督はアメリカの風景を描くのに興味津々だったようで、州を跨ぐ車で旅するロードムービーを採用したことに納得。
(https://youtu.be/XmBrOTycl4M)

ボーンズアンドオール、タイトルの意味を教えてくれるのはエリオ・パパ。息子に寄り添い肯定する優しい父親像が印象的だったが今作では豹変。ジョーカーみたいに笑い、真顔で迫ってくるのが怖かった。(単純に顔がホアキンに似てる?)

切ない青春映画を撮ったと思いきや、サスペリアでは血みどろシーンもやっていたので、今作でもこんな(個人的に)気持ち悪くなるシーンを撮れるルカ監督の手腕に納得。

主人公マレンは理解し難い食癖を持ち、それが原因で父に見放され頼る人がいなくなったとき、出自を知るため母を探しに旅をする。幼少の頃に生き別れた母の居場所を遂に突き止め、待つのは感動の再会?とはならず嫌な予感が当たる。その食癖の由来はどこからなのか。母の部屋に入り会った瞬間、「あー、もうこれやばいって、怖いのくるよ...」自分の中でヤバいよヤバいよ警報が鳴り、急にくるであろうビックリシーンに怯えていた。

見どころ・キーパーソンはサリバン!!
「自分を名前で呼ぶんじゃねぇ」
人喰い初心者マレンの指南役として登場。
優しい人なんだろうけど、信用していいのかわからず、恐る恐る探りを入れてみる。
中盤での再会以降、脳裏をちらつくサリーの存在。どこか気が休まらないなと思ったら、いつだって静寂は不意に破られる。
お化けとかより生きてる人の方がよっぽど怖いとはこのこと。

テーマであるカニバリズムについて。
人喰いであることに苦しむシーン、人喰い=人を殺さないと生きていけないことで良心の呵責を問うシーンが少ない、薄いように感じてしまった。
マレンが、自分だけかと思ってた人喰いが他にもいることがわかり、分かり合える喜びと、もうその人さえいれば良い、的な考え方をしているように思えた。
トラックがダメになってもまた調達しよう(食事のおまけに)くらいに考えてるのが浅はかで、そんなヤツらに命奪われるのもたまったもんじゃないと、人喰いではない側の人間としては思ってしまう。

それでもロードムービーとして退屈せずに観られたので面白かったんじゃないかな...?
最後のシーンは、
丸ごといけば、身も心も同化する、と受け止めました。
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