金曜日のキカ

ボーンズ アンド オールの金曜日のキカのレビュー・感想・評価

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)
4.0
「サスペリア」の容赦ない終盤ゴア描写meets「君の名前で僕を呼んで」の青春模様+ロードムービーといった本作。ボニーとクライドではないが、逃れられない食欲から2人が逃避行していく様は切なく、束の間の幸せと、案の定ビターエンドまで追い詰められ続ける。終始美しい景色と、対比のような血の赤、JOY DIVISIONやNEW ORDERにa-ha等の音楽がその時代背景を彩る。エンディングのNINトレンドレズナーの楽曲の切なさたるや。

食人がテーマだけあって、咀嚼音等の食事シーンの効果音は大きく、冒頭食人シーンは目と耳を塞ぎたくなった。タイトルの伏線回収にもなるが、これが痛い痛い。時折見せるホラーな演出もあって、最後までハラハラした。

ティモシーシャラメの美しさは言わずもがな、役柄がドンピシャでハマっていてニクい。人を選ぶ作品なのは間違いないので、彼目当てだけだとなかなか厳しいか。