shin

アテナのshinのレビュー・感想・評価

アテナ(2022年製作の映画)
4.2
怒りで歪んでしまった兄弟愛。
90分映し出されるのは必死の怒り。「怒り」の2文字の具現化だった。
怒りを飲み込み罪を許す感動映画 はよくあるけれど、この作品みたいな怒り任せに暴徒化してしまう姿の方が人間味を感じた。悲しいことに。
怒りって人格を変えてしまう怖いウイルス。ある意味ゾンビだなと思った。

弟の死から始まる警察への怒りと暴動は今の現実のフランス/パリにそっくり。こうやって傷が拡がり、暴徒化し、さらに傷が拡がっていくのかと。現実の方の "略奪" は全く理解できないけれど。

別枠の「制作の舞台裏」も面白い。演者の役作りと長回しの技術に感動。
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