映画 アテナ(2022)フランス/97分
監督 ロマン・ガヴラス
脚本 ロマン・ガヴラス ラジ・リ
エリアス・ベルケダール
音楽 スルキン
主演 ダリ・ベンサーラ サミ・スリマン
オウアシニ・エンバレク
アレクシ・マナンティ
アテナ団地で繰り広げられる、移民住人vs警察官の抗争。フランスで起きる内戦、全てが悲劇で迫力が凄すぎる。
ひとつひとつがワンカットで撮られる臨場感、半端ないです。
きっかけは警官による13歳の少年殺害事件から始まり、兄弟の葛藤が描写される。
暴徒化した移民たち、復讐をしても13歳の弟は二度と帰ってこない悲しい運命を受けいれられる事ができずとも、もう1人の弟のカリムや仲間を守ることに精一杯なアブデルがだんだんと情緒がぐちゃぐちゃになって闇堕ちする様な展開は苦しかった。
なんと言っても注目すべきはアブデルとカリムの真反対な意思。
両者とも納得いくし気持ちが分かるのが観客としてでも辛い。
結局最後まで犯人が分からないが、首の後ろのタトゥーはケルト十字架と呼ばれるマークで、ネオナチ主義者や白人至上主義者に使われている象徴らしい。
セバスチャンは、一体何者なのか。
最初から最後まで目が離せなかった。
97分という短い尺でここまで人の想いが描けるのかと感激した。
