賛否両論とのことですが、自分の中でも賛と否が相まっている感じです。
歴代の名優にこすり切られたジョーカーに、新たな命を吹き込んだ2019年公開の『ジョーカー』。その世界線の”モラル”を保ったまま続編を締め括ってくれたことに感謝。ホアキン・フェニックスの演技は圧巻で、毎1秒ごとに何を話すか、何をするか、というヒリヒリとした緊張感が堪らない。これぞ映画体験だなと思います。
同じく直近でマーゴット・ロビーという最適解が出ているにも関わらず、また別の角度で照射したレディ・ガガ演じるハーレー・クインにも、とてもワクワクしました。が、そのカタルシスをもっと高解像度で描いてほしかったというのが本音です。ミュージカルシーンに、そんなに時間を割くくらいなら。
つまり、アーサー・フレックの物語としては賞賛を惜しまないが、ハーレー・クインの物語はミュージカルシーンの冗長さの犠牲となってしまったのかな。というのがモヤりポイントです。
とはいえ、公開当日に有給を取って朝イチで駆けつけるほど、公開を待ち焦がれる映画があること自体、本当に有り難いことです。