このレビューはネタバレを含みます
皆が期待する悪のカリスマジョーカーと、アーサー素の自分
この2面性で物語を見るとよくわかる気がする
最後刺した囚人は悪のカリスマジョーカーを理想化していたから、素のアーサーに拍子抜け、狂愛が逆になり憎しみになった
それは囚人が刺した後自分の口をピエロ顔に切り裂いていたことからも明らか
強者と弱者という切り口で見ても面白い
証言で出てくるように、昔アーサーはチビ男に唯一優しく接する存在だった
これはアーサーが自身が弱者である、という認識を持っていたからであろう(弱者同士の仲間意識)
ただ拳銃を手に入れてからは、力による権力の取得(階級闘争のリーダー的な)を達成してしまい、自分を弱者と差別化、強者だと認識するようになった
悪のカリスマジョーカー=強者
素のアーサー=弱者
こうしてみてみると前作から通じて彼の精神状態は上述した2面性に揺れ動かされていると見ることができる
ある種のダークヒーローファンには冷や水を浴びせた作品となったが、一歩引いた目線でアーサーという人間を見ていた人は、納得して楽しめる作品かなと