ぶみ

探偵マリコの生涯で一番悲惨な日のぶみのレビュー・感想・評価

3.0
依頼人・FBI
ミッション・歌舞伎町に潜む宇宙人探し

内田英治、片山慎三監督、伊藤沙莉主演による群像劇。
新宿ゴールデン街にある小さなバー「カールモール」のバーテンダーであり、「新宿探偵社」の探偵でもある主人公マリコが、FBIを名乗る三人組から、アメリカへの移送中に連れ去られた地球外生命体を捜してほしいとの依頼を受け、捜し始める姿を描く。
主人公となるバーテンダー兼探偵のマリコを伊藤、マリコの彼氏であり自称「伊賀麻績新陰服部流」を継承した忍者であるMASAYAを竹野内豊が演じているほか、北村有起哉、宇野祥平、久保史緒里、松浦祐也、高野洸、中原果南、島田桃依、伊島空、黒石高大等が登場。
物語は、新宿歌舞伎町を舞台として章立てで進行。
エピソードは、「歌舞伎町にいる」「歌舞伎町の恋」「鏡の向こう」「踏切を超えた時」「姉妹の秘密」「少女A」の6つとなっているが、それを片山監督と内田監督が交互にメガホンを取るという、一風変わった構成が本作品の特徴の一つ。
一見すると、監督が違うことから、それぞれが独立したオムニバス形式かと思いきや、そうではなく、マリコが地球外生命体を捜す姿をベースとしつつ、各登場人物にスポットをあてた群像劇として展開。
そのため、そのタイトルから、マリコが最悪な状態に陥る一日であったり、はたまた探偵として、犯人捜しを行うミステリを想像してしまうと、全く違う内容に面食らうことになるので、注意が必要。
そもそも、主人公がバーテンダー兼探偵であったり、彼氏が自称忍者であったりと、なかなか濃い設定で、一筋縄ではいかないキャラクターばかりであり、シュールな笑いが多いのだが、それをこれまた濃いキャスト陣が好演。
ただ、それぞれのキャラクターは際立っているものの、それが全体的にまとまっているかというと、そうではなく、全体的に散漫になってしまっているのが正直な印象。
歌舞伎町の表舞台ではなく、一本奥で繰り広げられるシニカルな笑いと人間味に満ちた群像劇は、面白くなるポテンシャルは高かったものの、そこまでハマることができなかった惜しい一作。

バイキンだらけの世の中だ、空気は綺麗な方がいい。
ぶみ

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