☆俺基準スコア:2.4
☆Filmarks基準スコア:3.6
1992年、釜山。
国政選挙の年となり、海雲台地区から出馬する庶民派のチョン・ヘウンは、与党・大韓民主党の公認を取り付けて舞い上がっていた。釜山は党の地盤が硬い地域で、公認イコール当確と言って良いからだ。しかしソウルの党本部は密かに海雲台の再開発を計画しており、党の「言いなり」となる候補を立てようとしていた。そこで釜山選挙のキャスティングボードを仕切るフィクサーのクォン・スンテは、党の依頼を受けてヘウンを外し、新たな若い候補を公認に据えてしまう。ブチきれたヘウンは無所属候補となって戦うことを決意。〈対外秘〉となっている党の再開発計画書を盗み出し、これを使って高利貸しヤクザのキム・ピルドと建設会社ハンモ社長を仲間に引き入れた。再開発予定地域をピルドとハンモが今のうちに買い占めておけば、後に1000倍になって返ってくる。ゆえに2人は喜んで選挙資金を提供してくれたのだ。地元出身のヘウンは圧倒的人気でリード候補となるが、スンテはヘウンを当選させない奥の手を用意していた……
「対外秘」
以下、こういうのを「ネタバレ」と言うんです。
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「悪人伝」のイ・ウォンテ監督作品。ハマり役のチョ・ジヌン(ヘウン役)と貫禄のイ・ソンミン(スンテ役)の対決を軸に熾烈な選挙バトルが展開するサスペンスです。対外秘書類が最初は武器になり、後に枷となる展開の面白さ。駆け引きと闇堕ちのノワール味もなかなかだし、腐敗構造の描写には驚き必至。〈さすが韓国〉と言わざるを得ません。先月の衆院選、アメリカ大統領選、昨日の兵庫知事選とやたら選挙が注目される中での公開はタイムリー。楽しめました。