あおは

ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!のあおはのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

普遍的な親と子のストーリー、社会性を持つ人間という生き物について描いたストーリーだと思った。

愛だからと言って自分の心配を押しつけて子どもを縛ろうとする親と、親に嘘をついて外へ出ていこうとする子ども。その秘密こそが自立のサインなのに、そこに踏み入ろうとする親。
安全で幸せに暮らすことが親は子のためと思うかもしれないけれど、子の願いを尊重することこそが親の本当の愛なのだと教えてくれる。家族だからと言ったり、恩を仇で返すのかと言ったり、育ててきたことを貸しにするようなセリフもリアルで、実際にそのようなことをしている親はたくさんいると思った。
ラストの高校へ通う子どもたちに何かあったら下水道へ逃げ込めというセリフでは、大人になったら親はいるべき場所ではなく、帰るべき場所なのだなと思った。

ミュータントという異質な生物を社会のなかに生み出すことで、人間という生き物についても描いている。人間は自分たちと違うものを殺すというセリフがあったが、それは社会性を持ったときの話で、最後の協力してスーパーフライを倒すシーンを見たら、恐ろしいのは社会だけで、人間一人一人は優しいのではないかと思った。
また、ニュースで悪者にされながらもスーパーフライと戦うシーンからは、社会から認めれたいという承認欲求のためにやるのではなく、純粋に人々を守りたい、つまり社会に貢献したいという思いのままに動いたとき、人々は認めてくれるというメッセージも感じた。

簡単にスーパーフライに会えたり、世間的には無名の女性1人が急にニュースで発言しただけでタートルズに対する世間の目が一瞬で変わったりというところには、?だったが、面白かった!
でも、そういう信頼性のない情報に踊らされるのが人間なんだよという意味なのかな。

それにワイスピのオマージュが多かった(笑)。
直接的にその題名を口にしていたし、特に東京ドリフトが好きなのか。立体駐車場をドリフトで上っていくところは東京ドリフトそのままだったし、そこから飛び出してスーパーフライのうなじに迫るシーンはスカイミッションを感じた。
あおは

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