りょう

ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!のりょうのレビュー・感想・評価

3.4
 「ミュータント・タートルズ」そのものは、主人公たちが“忍者”ということで、自分が子どものころから日本でも話題だった記憶があります。実写版も含めて映画を観たことはありません。
 こんな子ども向けの物語でも、アニメなら抵抗感ないし、かなり評判がいいので観てみましたが、さすがのクオリティで驚きました。いろんなアニメのジャンルが混在している構成は、「スパイダーマン スパイダーバース」に似ていますが、現代風のポップアートのような画風がCGアニメに馴染んでスムーズに動いているところが斬新です。キャラクターごとではなく、シーンごとや画面の一部で画風がミックスされていて、とても面白い構成でした。
 物語そのものは普遍的なもので、ミュータントという異物が迫害から共存へ…という、人間社会とのつながりを希求する4人のティーンエイジャーの青春ストーリーでした。ちゃんとしたテーマがありながら、ほぼアクション映画なので、アタマをカラにしても観られます。
 BGMはヒップホップが中心で、物語とのつながりはわかりませんが、劇伴はTrent Reznor & Atticus Rossという贅沢なクリエイターを起用しています。最近の活動がわからないNine Inch Nailsっぽい楽曲もあって嬉しいです。
 人間社会から隔絶されたミュータントたちは、どうやってスマホを契約したのか、そもそも生活費はどうしているのか(すべて窃盗?)という疑問はありますが、そんな野暮なことはどうでもいいので、続編も観てみたいです。
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