トムトム

湯道のトムトムのレビュー・感想・評価

湯道(2023年製作の映画)
2.0
何か想像していたものとは違いました。

日本人の銭湯、お風呂文化をコメディとして描くのかと思っていたら吉本新喜劇でよく見る感じの下町人情コメディでした。

新興カルト宗教みたいな湯道のレッスンシーンが始まった時は期待感も上がったのですがその後はベッタベタの下町人情コメディみたいな流れで若干ガッカリ。

メインのドラマと湯道のパートが全然リンクしていないのですが。
もっと関東湯道と関西湯道がガチガチにバトルとかして欲しかったですね。

湯道の教えは是で吉田鋼太郎の主張は非なのが納得いかないというか両方アウトじゃないですかね。
湯道の奴ら入る前に体洗わないし、タオル巻いたまま湯船に入ってますよ。

ラスボス?の源泉かけ流しの温泉至上主義の評論家 吉田鋼太郎への対応が納得いかないというか「お前は入るな!」で解決するとは思いませんでした。

美味しんぼで言ったら「文句言うなら食うな!」でエンディングみたいなもんですよ。

吉田鋼太郎の言う各家庭に風呂がある現代において銭湯の必要性やなぜ残っているのかという疑問に対するアンサーが昭和的な下町のあったかい人間的繋がりみたいなふわっとした回答でげんなりしました。

そもそも劇中のあたたかい下町がファンタジーな設定な上に古き良き昭和と言うのが製作者のオッサン達の脳内にあるノスタルジーから出た幻想ですしね。

昔話のお婆さん然として出てきて自然の恵みを語る夏木マリもいつの時代やねんと。
橋本環奈の祖母役やったら下手したら戦後生まれですよ。

全体的に昭和生まれの製作者が考えた古き良き日本感だけで構成された作品です。

ほらもっと銭湯に対する補助金や水道代がかからないみたいな既得利権の話も絡めてオトして欲しかったですね。

日本文化がわかっていない外国人みたいなネタやヅラネタみたいなのははちょっと今見るにはキツいです。
これも昭和ノスタルジーという製作者側の主張かもしれませんが。

見所は窪田正孝の入浴シーンです。

おそらく今作を観た紳士の皆様のご期待の橋本環奈の入浴シーンは天童よしみや吉行和子の入浴シーンをたっぷり見せられて焦らしに焦らしたクライマックスで訪れます。

コメディとしては全然笑えないのですがエンディングのノリは結構好きですし、フジテレビパワーで豪華俳優陣が出ています。

この内容で120分越えは結構きつかったです。
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