愛をなくし、自殺願望のある
キリングマシーンとなった
若き刑事…
家族愛にあふれ、生きる
意味を知るベテラン刑事…
対照的な2人が共闘する
名作バディアクション!
「リーサル・ウェポン」
久々の80s傑作選です。スーパーマン、グーニーズとヒットを放ったリチャード・ドナー監督が次に組んだのはマッドマックスのメル・ギブソン。ベテラン、ダニー・グローバーと組ませ、傑作バディアクションが生まれました。
ベトナム帰りの麻薬課刑事リッグスは妻の死から立ち直れず、自暴自棄となり無茶な捜査を続けていたため、異動させられる。異動先でベテラン刑事マータフと組まされたリッグスは娼婦殺人事件を追いながら、少しづつ人間性を取り戻していく。
マッドマックスの暴力的なイメージの強いメル・ギブソンを巧みに使い切る演出。そのイメージとリッグスが見事にリンクし、映画内でキャラクターが変化するのと同様にメルのイメージも変わって行ったこの作品。まさに当たり役でしたね。リッグスは死を望むサイコパスから優しく正義感の強い素の自分に帰っていきます。
リッグスの悲しみを埋める友情と家族愛を与える相棒マータフ役のダニー・グローバーもまさに当たり役。朗らかな家族に囲まれ、それを決死の覚悟で守らんとする普通に見えるベテラン刑事。その朗らかな家族シーンが壮絶なアクションと対比され、作品を支えています。また圧倒的なふたりの会話のテンポの良さと微妙に噛み合わない話の面白さはシリーズ通しての魅力ですね。
80年代らしく、アクションは全て実写。銃はガンガン撃つし、車は爆発するし、家も爆発しちゃうが、この作品が上手いのはショッキングなシーンはかなりイキナリ始まります。まずはおっ◯い丸出しのお姉ちゃんがいきなりマンションからダイブ。聞き込みで行った家ではいきなり銃撃。またリッグスは自殺しようとしてる奴といきなりダイブ(笑)聞き込みしようとするといきなり家は爆発するし、静かなシーンであと2回程銃撃されるなど…前半から中盤までイキナリのアクションが演出の肝となっていて、見事にハマっていて面白い。静と動の緩急がまた巧みと言うことですね。終盤のアクションの連続はまさに正統派で疾走感が魅力。更にラストがまさかのステゴロという…(笑)ラストのあのシーンのためでしょうね。
この作品あと…80年代作品でも残ってたベトナム戦争後遺症も噛んでるんですよね…ここから日常に戻れなくなってしまった方も多い訳で…。比較的この作品はエンターテイメント性が強くてこの辺りあまり、とりあげられないんだけど。実際このシリーズも…リッグスが自殺願望者だった設定を捨てていきますし。やっぱり、今作はリッグスという人間がマータフと言う同じベトナム帰りのベテラン刑事により立ち直るドラマ性が魅力で、その辺りが次作以降とは違い、良さかと思います。