CHICORITA主任

フォールガイのCHICORITA主任のレビュー・感想・評価

フォールガイ(2024年製作の映画)
4.8
『ジョン・ウィック』シリーズや『デッドプール2』『アトミック・ブロンド』などで知られるリーチ監督が、自身のスタントマン経験を活かして制作したアクションコメディ作品。

主演を『ララランド』のライアン・ゴズリングが務め、相手役は『オッペンハイマー』でオスカー候補になったエミリー・ブラント。他にアーロン・テイラー・ジョンソンやウィストン・デュークらが脇を固めます。

なんだこれ最高か!
体を張って映画制作を影から支えるスタントマンを主役に、自身がスタントマンとして活躍してきたリーチ監督の誇りや自負、そして現役でスタントをこなすクルーたちへのリスペクト、何より映画そのものへの深い深い愛が込められた大傑作映画です。

スタント映画なので当然のように大掛かりなスタントシーンが目白押しで、さながらスタント博物館のような作品。それでいて古臭さはなく、むしろカースタント「キャノンロール」における回転数ギネス記録を実際に更新してみせるなど新たなチャレンジにも満ちています。
ラスト近く、主人公がヘリから飛び降りるスタントでは、周りのスタッフとの連携によってスタントは成立し、迫力ある映像が我々観客に届けられているんだということがこれでもかと示され、各陣の体を張った映画への貢献に涙を禁じ得ませんでした。

また虚実の境界をあいまいにし、スタント業界を巡る問題提起もしてみせている本作。
スタントマンはスター俳優のダブル(影武者)である以上顔は出ない。なんならCGで顔をすげ替えられてさえしてしまう。またアカデミー賞には未だスタント関連の賞はなく、影の存在であることを強いられている。
この作品をきっかけとして、映画界におけるスタントマンたちの価値や評価が少しでも見直されてほしい。そんな願いも込められた作品だったと思います。

ど迫力アクション満載で、ストーリーにも犯罪ミステリー的ひねりが効いていて、かつ爆笑必至のギャグに満ちたコメディであり、ラブコメでもある、とにかく映画としての楽しさ増し増しの超エンタメ大作。
これは映画館で観るしかない!今すぐ劇場へGO!!
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