ようやくフィルマークスにアップされたので、FBのメモ(2020年10月23日 ·)を以下に転記。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 シチリア祭り(24) アルベルト・ラットゥアーダ監督作品。アルベルト・ソルディ主演。これは面白かった。マーティン・スコルセーゼもマフィア・ギャング映画として評価しているという作品。 ただ、レオナルド・シャーシャに言わせると、シチリアとマフィアの現実を理解することに貢献してはいないという評価。なにしろこの映画、冒頭のミラノの工場からシチリアへと南下すると、いつの間にかニューヨークへと僕らを連れて行ってくれるのだけど、どこもかしこもマフィアだらけ。そりゃシャーシャもお怒りになるのもわかる。 しかし、映画としては抜群に面白い。最初はソルディのオーバーアクションが鼻につくのだけれど、だんだんとそれに慣れてきた頃に、その表情が凍るような出来事が起こるという筋書き。ソルディのその表情が最高なのだ。 明るく雄々しく自信満々に振る舞いながらも、その内側に、小心でビクビクしている臆病者を隠し持っている男アントニオ/ソルディ。それはモニチェッリの名作『戦争・はだかの兵隊 La grande guerra 』(1959)のオレステ/ソルディを彷彿とさせながら、イタリアン・ブラック・コメディを代表するキャラクターとして記憶されるべき。でも日本には公開されてもいないんだよね。