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あいつのブラジャーとぼくのパンツのtakのレビュー・感想・評価

3.4
小学校6年の秀人は、友人に6年にもなって白のブリーフを履いているのは恥ずかしい、と言われる。友人にはトランクスやボクサーブリーフがいる。一方で、いつもトイレで体操服に着替える流花が気になって仕方ない。彼女はもうブラジャーをしているに違いないと男子の間で噂になっている。大人になるってどういうこと?自分だけ置いてけぼり?白ブリーフじゃないパンツを買ってと言ったら母親に拒絶された秀人は、引け目を感じて流花から話しかけられても避けてしまう。彼の満たされない気持ちは日増しに募り始める。

思春期のモヤモヤ感。しかもテーマがテーマだけに、下手をすると色モノになりそうなところ。しかし、秀人がクラスの危機を結果として救ったり、爽やかな幕切れに収めた脚本が素晴らしいし、一つ一つの絵の選び方にセンスを感じる。子供の象徴となっている白いブリーフと母親のブラジャーが並んで干されているのを見上げる場面。教室の壁にもたれて流花と「木綿のハンカチーフ」をヘッドフォン共有して聴く場面の絶妙な距離感。てか、木綿のハンカチーフが世代をつなぐ役割でありながら、そもそも旅立ちと別れの歌。これを初恋の終わりに聴かせるセンスって素晴らしくない?👍

「大人になりたいやつがなればいいんだよ」と流花に言いながら、白いブリーフを卒業したいという矛盾に切なくなる。そして、同じように白いブリーフを履いていた父親や祖父にも変化が訪れるラストシーン。二人の尻を叩いて「まだ早い!」と笑う少年に涙腺がゆるんでしまった🥲

浮気がバレたダイヤモンド⭐︎ユカイに、奥さんが罰として6年間白いブリーフを履かせたというエピソードを思い出したww。やっぱり白いブリーフって男児の象徴なんやね😁

おおいた自主映画祭にて鑑賞。素敵な23分。
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