くらげ

少女は卒業しないのくらげのレビュー・感想・評価

少女は卒業しない(2023年製作の映画)
3.9
中年にこの年代の物語は刺さらなそうな気がしてあんまり見る気なかったのですが、映画館で予告を見たら不覚にもキュンとしてしまったので試写会に申し込んじゃいました。

結果…観てよかった!

原作は7人の女の子の7つの物語なんだそうですが、その中の4人の話を卒業式前日と当日の2日間にギュッとまとめてあります。
監督のアフタートークによると、3人減らしたのは時間の成約もあるが、主人公の女の子ではなく相手の変化の方が主軸だったからだそうで、大胆な改変もしたが原作者の朝井リョウに褒めてもらえたので安心したとのこと。

全体を通して山梨の田園風景と満開の桜が美しく、ちょっと霞んだ春の空気が物語を引き立てていました。
廃校になった校舎を使い、実際に桜の咲いている時期に11日間で撮影したそうです。

舞台は移転で校舎が取り壊される高校。
前半は何気ない日常風景って感じだけど、ちょうど1時間辺りでおやっと思わせるセリフが入り、そこから空気が変わり、一気に引き込まれます。

4人の女の子がとても魅力的。
それぞれの抱える悩みや問題は思春期らしいけど大人になっても無縁ではない。

時々差し込まれる手持ちカメラの臨場感で自分も同級生になってあの頃を追体験しているような気持ちになりました。

「刹那4世と呼んでくれ」
厨二病全開のデスメタル当て振り口パクバンドのリーダーがあるトラブルのせいでアカペラでソロで歌うシーンは圧巻。
舞台裏でつぶやく部長の「思い知ったか」の可愛さよ。

この刹那4世を演じる佐藤緋美は浅野忠信とCHARAの息子ということで、両親の遺伝子強っ!

この歌があるシーンの鼻歌と繋がって最後の主人公のセリフになるんだけど、鼻歌がはっきりしてなくてちょっと分かりにくかったのが残念。
体育館から漏れ聞こえる歌にハッとする河合優実の表情が素晴らしい。

自分もコミュ症なので、コミュ症の女の子と図書館の先生のエピソードが好きでした。
藤原季節が高校の先生だったらモテモテだろって思うところだけど、絶妙にモッサリしてて上手い。

余韻がふわーっと残る映画でした。



🌸🌸🌸🌸🌸

ここからはバックトゥマイハイスクールデイズ。映画を見てたら思い出しちゃったので書いておきます。

私の通っていた高校は同じ中学出身の人がゼロだったんだけど、英語のムラマツ先生(教わったことはない)の出身校で、家もすぐ近くだと知り、帰りにふらっと訪ねたことがある。当時は携帯なんてないから当然アポ無し。
玄関チャイムを押したら平日の放課後なのに先生が出てきて、1時間位立ち話をした後、車で家まで送ってくれた(先生も通勤している道とは言え、結構遠い)。

その後何度か同様にアポ無しで突撃して家まで送ってもらったんだけど、今思うとすごい迷惑だよね😂
でもなんで平日なのにいつも家にいたんだろう…🤔❓
くらげ

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