くらげ

DOGMAN ドッグマンのくらげのレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
4.5
「人生はどうにもならないことが多いけど、大事なのは自分自身よ」

これMy bestリュック・ベッソンかも!

初期作は好きだったんだけどフィフス・エレメント以降はなんかなーって思っていた私のような方には是非見ていただきたい!

「ダークヒーロー爆誕」っていうコピーだけど、そういう感じではないです。
書き留めておきたくなる沁みる言葉がたくさんありました。

ある事件の容疑者として収監された主人公ダグが、精神鑑定のために訪れたシングルマザーの医師に自身の生い立ちを少しずつ語る形で事件の全貌が見えてくるという構成が飽きさせない。

養護施設で演劇を教えてくれた初恋の人が女優になり、新聞記事をスクラップしながら大人に転換する演出が素晴らしかった。そしてこのスクラップブックがめちゃくちゃ素敵。

仕事が見つからずに流れ着いたキャバレーでユーリズミックスのスイートドリームをアン・レノックスの格好でドラァグクイーンが踊ってるの最高。初恋の人に教えてもらったシェイクスピアの演劇を武器にドラァグクイーンとして花開くシーンも見事。応援してくれるお姉さん達もカワイイ。

全体的に暗く重苦しいシーンが続くんだけど、犬がとにかく可愛いのであんまり辛くならない。

ダグの住処に人が訪れるシーンが何度があって、不穏な音楽が流れて皆犬にビクビクするんだけど、全然怖くなくて笑ってしまうのだった。

ダグは幼い頃に家族から虐げられ、身体の自由を失い、それでも神を信じている。

私は無宗教なので、こんなに酷い目にあっても尚神を信じる宗教観が全く分からないんだけど、ダグの深い信仰があればこそのラストシーンの〝磔〟は素晴らしかった。

とにかく犬が可愛いので犬好きにオススメ!
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